特集

2018/4/23(月)

マルケト × SATORI 特別対談
「MAツールベンダーが見据えるマーケティングの課題と未来。そこにMAが果たす役割とは」

株式会社マルケト バイスプレジデント マーケティング本部長 小関 貴志 氏
SATORI株式会社 代表取締役 植山 浩介 氏

ファシリテーター:株式会社エムエム総研 河村 芳行

読了時間 読了時間:5分

大手企業や先進企業を中心に導入が進むマーケティングオートメーション(以下MA)ツール。すでにMAを活用し、大きな成果を挙げる国内企業も現れています。そこで今回は、MAツールベンダーである株式会社マルケトの小関貴志氏 と SATORI株式会社の植山浩介氏をお招きし、MAを効果的に活用するためのポイントや注意すべきこと、今後の展望などについて語っていただきました。

>> マーケティングオートメーションとは?

小関氏、植山氏、河村 並んで撮影 左から、SATORI 植山氏、エムエム総研 河村、マルケト 小関氏

Marketoとは? 世界39か国、6,000社以上の実績を持ち、2014年に日本市場へ参入し、国内のマーケティングオートメーション市場を牽引してきました。
日本でも多くの導入実績を持ち、アカウントベースドマーケティングやデジタル広告からレポーティングまで、マーケティングに必要な機能拡張を継続的に行いプラットフォームサービスとしての存在感を高めています。

SATORIとは? 日本発のマーケティングオートメーションツールとして、顧客のマーケティング担当者に寄り添う各種サポートサービスを提供しながら、日本固有課題である個人情報を獲得する障壁を解決すべくWebに来訪される匿名顧客に焦点を当てた「アンノウンマーケティング」を特徴として250社以上の企業に採用されています。

MAツールを導入する企業の特徴

河村 MAツールベンダーとして活躍されているMarketoとSATORIですが、それぞれどういった企業に導入されているのでしょうか。ユーザーに共通する特徴は何かありますか?

小関氏 近影

小関貴志 氏(以下 小関) Marketoは幅広い業種や規模のお客様に導入されています。共通する特徴としては、顧客とのエンゲージメントを強く意識されているということ。単発的な取り組みではなく、最初の流入からロイヤル化まで、中長期にわたり顧客との関係を築いていく必要のある企業で導入を検討されるケースが多いですね。

植山浩介 氏(以下 植山) SATORIのお客様は、マーケティングといってもセールス&マーケティングに近くて、広報・PRというよりは売り上げを伸ばしたいお客様がほとんどです。そもそもマーケティング部門が存在しないケースも多く、SATORI導入企業様の平均でいうとマーケティング担当者の数が0.7人です。ゼロから始めるお客様も多いため、SATORIは「担当者1人の力で企業のマーケティングを動かそう」という世界を目指しています。

小関 Marketoの導入企業の傾向としては、すでに様々なテクノロジーを活用したマーケティング施策を行っていて、更にお客様との関係性を深めたマーケティングに取り組みたいという企業もあれば、新たにマーケティングを強化したいという企業もいらっしゃいますね。目指すゴールは、新規顧客の獲得、既存顧客のLTV向上、それらを通じたマーケティングROIの最大化です。

国内MA市場の成長スピードについて

河村 現在、国内でもMAの導入が進んでいます。国内市場の成長スピードはお二人の期待値に対して早いのか遅いのか、どのように捉えられていますか。

小関 会社内のプランでいうと計画通りですが、私個人の感覚としては成長スピードは早いと思います。私が2014年にマルケトへ入社したときには「MAは知られていないだろうし、2~3年はお客様へ「MAとはなにか?」のご説明に時間を費やすんだろうな」と覚悟していたのですが、思ったよりも皆さんMAに関心があって、導入を検討したいと言ってくださいます。良い意味で予想が外れました。

植山氏 近影

植山 MAは確かに伸びています。でも、デジタルマーケティングという枠組みで考えると、特にBtoBはまだまだなんじゃないかと思います。顧客との接点は未だ展示会やセミナー、電話、訪問などのアナログ活動メインで、ソーシャルやデジタルで購買意識の変革を促すようなデジタル活動は未成熟です。現在の20代、30代がBtoBにおける購買層になったときには状況が変わると思いますが、まだしばらく時間がかかると想定しています。

河村 国内でもMA市場が伸びているということですが、逆にMAを導入していない企業では、何が導入の障壁となっているのでしょうか?

小関 MAが簡単でも、マーケティングそのものが難しいんですよね。それはどの会社のツールを使おうが、ずっと付きまとう課題だと思います。例えば、ターゲティングやセグメンテーションに必要なデータはあるのか、コンテンツは用意できるのか、数字を見て判断する経験やスキルはあるのか。さらに言えば組織の問題かもしれませんし、それを理解してくれる経営層の存在かもしれません。マーケティングの組織をどう作り、人材をどう育成していくのかというのは我々の社内でも課題ですし、お客様も課題に感じていると思います。

植山 そういう意味では、MAが提供するテクノロジーはこれまでのマーケティングを変えるほどの破壊的イノベーションではないということでしょう。もしそうであれば一気に広まるだろうし。だから、ツール単体で考えるのではなく、マーケティングの体制を含め、運用とセットで考えていく必要があると思います。

河村 マーケティングを行う組織や体制づくりが大切ということですね。では、国内企業にマーケティングが普及するには何が必要なのでしょうか?

植山 先ほどの繰り返しとなりますが「買う側」が変われば一気に変わると思います。例えば、買う側の情報収集がもっとデジタル化することで、オフライン展示会に比べてオンライン広告から大量にリードが取れるようになるとか。そういう事実として分かってくれば、企業も変わらざるを得ないでしょう。ただ、そうなったときにチャンスがつかめるように「準備」をしておくことが大切で、今からそのマーケティング設計や社内体制作りはしておいた方がいいと思うんです。

小関 人がいない、お金がないなど、マーケティングを“やれない”理由はいろいろあるかもしれませんが、会社として“やらない”という選択肢はないですよね。顧客が大きく変化している中で、企業としてもこれまで以上に顧客のことを深く知って、エンゲージしなくてはいけないので、選択肢は“やる”しかないんです。
これからは寡占が進み、おそらく何パーセントかの会社しか勝ち残れなくなる。そうなったときには、マーケティングをやっている会社が残り、やらない会社が落ちていく、シンプルにそういうことかと思います。マーケティングの発展と足並みを揃えて、MAが普及するとよいと思っています。

植山 確かに。マーケティングをしっかりやっている会社は残る気がしますね。

小関 残りますよね。Marketoを導入したあるお客様も「今の取り組みをやめる選択肢はない」とおっしゃっていました。やめることは後退を意味するので、「使い続けて前に進むしかない、後ろに下がる選択肢はない」と。そういう会社は残っていくんだろうと思いますね。

成功するために必要な考え方

小関氏、植山氏、河村 対談風景

河村 マーケターがMAと上手く付き合っていくためには、どういったスキルや考え方が必要なのでしょうか?

小関 私たちのお客様で成功している人たちに共通しているのは、テクニックにとらわれないで顧客のことをちゃんと見ている人たちです。「お客様のことをもっと知りたい、より良い情報を届けたい、そのためには何が必要なのか」という発想の人がイキイキと活躍している印象があります。

植山 私は自社製品への愛情だと思います。自社の製品が本当に好きなマーケターじゃないと努力は続かないですよね。努力を続けないと結果は出ませんし、好きじゃない製品を売るためだけに頑張っても疲弊してしまうと思います。

小関 そう思います。何とかして自分が信じる良い製品をお客様に届けたいと思えるからこそ、いろいろと考えて試行錯誤するのでしょうね。

あと、必ずしもMAの全機能を使おうとする必要はないと思います。去年、Marketoのグローバルイベントに参加したのですが、マルケトでは毎年エンドユーザーの中からMarketoを利用して成果を上げた企業を「Marketo Champion」として表彰しているのですが、受賞した企業に記者の方が「Marketoの機能を何パーセントぐらい使っていますか?」と質問したんですね。それに対して企業は「うちは全体の機能のうち20パーセントくらいしか使っていない。でもそれで結果が出ているので問題ないと考えている」と答えていました。企業によってマーケティング活動ニーズは異なりますし、そのために幅広い機能を持つプラットフォームとして提供しているので、それでよいのだと思います。

MAの進化と未来について

小関氏、植山氏 対談風景

河村 MAは今後どのような進化を辿っていくと思われますか?

植山 私はエンドユーザーの変化がすべてだと思います。例えば、エンドユーザーがLINEに行くならLINEに対応するだろうし、デジタル化するならデジタル化に対応していく。かつテクノロジーが進み、より少人数で、よりリアルタイムに運用する流れになると思うので、そこにも対応していくと思います。

小関 私も「顧客接点」だと思います。エンドユーザーとの接点をいかにして広げていくのか、そしてそのバラバラの接点をいかにデータベースに集約し、企業と顧客の間に、一貫性のあるエンゲージメントを実現するのかということでしょうね。

河村 AIについてはいかがでしょう?

植山 すでにGoogleやFacebookが提供しているので、我々は「使う側」だと思います。これをAIと言っていいのか分かりませんが、例えばFacebookの拡張オーディエンスの機能や、GoogleのDynamic Search Adsを活用すればいい。自社だけで何とかしようなんてやめた方がいいと思います。

小関 自社だけでやる必要はないですよね。

植山 時代は変わりますし、対応しきれないと思います。

MAを使ううえで大切なこと

河村 成功のエピソードについてはよく聞かれるかと思いますが、逆に印象に残っている失敗談や、失敗しないために気を付けるべきことはありますか?

植山 当然、失敗はします。マーケティングは相手ありきだから思い通りにいかないこともたくさんあります。だからこそ、自分なりの成功基準を持って取り組むことが大切だと思います。自分なりの成功基準を持っていれば、計画が失敗したとしても「あぁ、こうだったのか」と検証し、次の計画に活かせます。

小関 その通りだと思います。「失敗は『テスト』であり『経験』なので、早めに小さい失敗をたくさんして知見を貯めた方がいい」と我々もお客様とよく話しています。あとは、やりたいことを持った方がいいと思います。様々なマーケティングのやり方がある中で、自分はどういうマーケティングをやりたいのか。やりたいことがないのにむやみに何でもかんでも手を出すべきではないと思います。

河村 最後に、マーケティングにおいてお二人が大切にしていることがあれば教えてください。

小関 マーケターの立場としては、本質を突き詰め、自分が正しいと思っていることをできるだけしたいと考えています。そしてBtoBマーケティングの仕組みを解明したいですね。マルケトの立場としては、世の中には著名なマーケターが何人もいらっしゃいますが、大半がBtoCのマーケターです。BtoBでも素晴らしいマーケターがたくさんいますので、色々な立場のマーケターが活躍するお手伝いをしたいですね。

植山 先ほど「自社の製品が好きでなければ続かない」と話しましたが、私も自社のSATORIという製品が本当に好きです。いちユーザーとしてもっとこう改善したいと感じるところが沢山あるので、より良い製品になるようにSATORIをしっかりと育てていきたいと思います。

河村 今回はMAの話にとどまらず、マーケティングに対するお二人の考えや思いもお聞きすることができました。小関さん、植山さん、本日はお忙しい中、本当にありがとうございました。

小関氏、植山氏 並んで撮影

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