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事業・経営

2018/3/28 (水)

営業スタイルの変化から差別化を図る具体例とは?

私が営業マンをしていた30年ほど前になるが、当時はマーケティングという概念がなく、営業マンが自身の足でひたすらお客様のところに行けば行くほど、売上が伸びるという考え方だった。そのような時代であったが、もちろん、ただお客様のとこに行けば受注に繋がるという訳ではなく、そこには営業マンのスキルが必ず要因として存在していた。
 
 

関係性の向上が成績向上につながる

 
私が20代のころ働いていた会社にタイルの販売会社があった。イナックスやダントー、TOTOといったタイルメーカーから仕入れて、タイル工事店に売る仕事だ。建材商社というと、他にも当然競合の会社がありタイル工事店はどの商社からもタイルを買うことができる。そうなってくると差別化できることは価格くらいしかない。さらにその価格差でさえもそこまで大きな差をつけることはできない。
 
このような状況でどうやって競合他社に負けずに売上を上げるか。それは、お客様であるタイル工事店の社長と営業マンのリレーションシップが一番のポイントになる。要するにタイル工事店の社長にいかに気に入られるかどうかが鍵になってくるのだ。タイル工事店の社長なので、気質としては当然職人あがりの方が多く、言葉の使い方や仕事の発注の仕方もいささか乱暴な人が多かった。その一方で、人間的に温かみのある人も多く、一回でも気に入られると、とことんお付き合いいただける関係になる。よって営業マンとしていかにお客様と関係性を上手に構築できるかは営業マンの売上成績に大いに影響する要因となる。
 
しかし当時の私はさらに取引を拡大するために、お客様とのリレーションだけではなく他にもなにか鍵となる要因がないか常日頃から考えていた。そして、価格とお客様とのリレーションシップ以外にもう一つ競合他社と差別化できるポイントを考えた。
 
 

価値共有の変化からみちびくアイデアフラッシュ

 
タイルの材料は建築現場に直接届けることも多く、大した量でなければ営業マンが建築現場に届けることになる。そういう意味では営業マンはタイルを現場に運ぶ配送サービスを請け負っていることになる。タイルという材料、いわばハードウエアの営業をやっているという価値共有からサービスを売っているという価値共有に変えると差別化の可能性があることに気が付いた。
 
タイル工事店が抱えている課題としては、できるだけタイルの在庫を持ちたくないと考えており、現場に必要なタイルは必要枚数で頼みたいと思っている。しかしもし足らなくなると、そのために工事がもう一日必要になったりして、かえって職人さんに払う工賃が増えてコストがあがってしまうのだ。
 
その悩みを解決するために、タイルの発注数はギリギリの数で発注していただき、もし足らない場合は必要な枚数を一枚でも届けることを思いつき、そのことを、あるタイル工事店の社長に言うとたいそう喜ばれた。ただタイルを売りつけるだけでなく、お客様が抱えている悩みを解決するために、自身の営業スタイルを変えて行動に移すこと。このことにより、その工事店との取引は各段に増えていって、そこからの紹介で新規顧客も獲得することができた。
 
その当時はまったく気づいていなかったが、いま考えると、これも一つのマーケティングなのだと思う。自社の製品やサービスを考えた時、お客様とどういう価値でどのようにコミュニケーションをとるかはマーケティングにおける重要な成功要因になるのだと思う。
 

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