インタビュー

「既成概念を払拭する」BtoCマーケティング経験者が語るBtoBマーケティングのあり方とは。Sansan株式会社Sansan事業部マーケティング部 坂本 大典氏

今回お話を伺ったのは法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供するSansan株式会社の坂本さんです。高級感のあるエントランスに、緑とフリースペースがたくさんのオフィス。坂本さんは個人でマーケ会をやっている、マーケティングにアツい方!そんな中で、「ずっとBtoCマーケティングを広告代理店でやってきた」という坂本さんに、BtoCの経験がBtoBにどう活きているのか伺いました。

現状のマーケティング活動概要と課題




■現在のマーケティング課題

――ファネルが狭い
――リードの質が低い
――マーケティング活動が固定化している

外資系の広告代理店でメディアプランニングを担当

――簡単に経歴を教えてください。

坂本さん(以下、敬称略)
新卒で不動産投資会社に営業として入社しましたが、1年で退職。 その後、ネット求人サイトで可能性を感じたサイバーエージェントに第二新卒で入社しました。サイバーエージェントには6年間在籍し、SEMコンサル、グループ会社で新規営業やASP新事業部をひとりで立ち上げ、事業部長として事業を行ったり、セールスコンサルを担当していました。
グループ会社内ではベストプレイヤー賞も頂きました。仕事は面白かったのですが、2012年にニューヨークに留学するために退社することに。2013年に帰国後は、外資系の広告代理店で約4年間メディアプランナーを経験し、現在に至ります。サイバーエージェントと外資系の広告代理店を通算しておおよそ10年間、SEM/SEO、デジタルメディア、SNS、タイップ、EC、とデジタルマーケティング領域(獲得〜ブランディング)を経験していることになりますね。

――広告代理店の10年間で坂本さんが得た、マーケターとしての一番の武器は何だったんでしょうか。

坂本
ブランディングですね。
特に経験として大きかったのが、外資系の広告代理店に勤務したこと。これまでサイバーエージェントでは、さまざまな会社の獲得のお手伝いはさせて頂いたものの、ブランディングに関しては無縁でした。しかし、この外資系の広告代理店で世界最大消費財メーカーであるP&Gを中心に担当したことで、ブランディングを確立する方法について自分なりに理解することができました。主に担当したブランドはファブリーズ。当時は日本では初となるtwitter生配信企画や食べログのジャック広告などの新しい取り組みにも積極的にチャレンジし、中でも一年ほどかけて企画した「マイクロモーメント」という大きなプロジェクトを手がけました。ファブリーズが必要となるシーンをこちらから作り出し、発信していくことにフォーカスした広告施策になります。

例えば、飲み会の後でファブリーズを使ってもらえるように、いつ、何を、どのように、どんな瞬間を意識したプランニングをし、そのモーメントに合う広告をもっとも関連性がある飲み会の時間帯に広告配信しました。この時、食べログにジャック広告が商品にはなかったため、「飲み会臭」というコミュニケーションアイデアでジャック広告を提案し、実際に広告が成功したことで、このジャック広告が商品化にまでいたりました。年末などの大型連休では、車用ファブリーズを車内で使ってもらうことを想定して位置情報ターゲティングを活用して、サービスエリアにいる人たちに広告を配信したこともありました。これまでは同じ種類の広告を複数メディアに出すことが一般的でしたが、各モーメントごとのクリエイティブで、そのモーメントとクリエイティブに合う最適なメディアを選定し戦略的に発信していくこのやり方はとても刺激的で、面白かったですね。

――なるほど。たくさんの刺激的で新しい取り組みをする中で、日々の業務はとても充実していたんじゃないのかな…と感じるのですが、転職のきっかけは何だったんですか?

坂本
広告代理店に勤務している人なら誰しも一度は考えたがあることだと思いますが、いつか事業主サイドでやりたいという想いがありました。そこで、これまで広告代理店で培ったマーケティングの経験を生かして働ける場所を探していました。正直なところ、会社の名前だけは知っていましたが、積極的に志望していたわけではありません。

型にはまったマーケティングでは、メリットが伝わらない

――BtoCのマーケティングをずっとされてきた印象ですが、BtoBマーケティングの経験はあったのでしょうか。


坂本

BtoBはかつて手がけたことはありましたが、ほとんど自分の記憶にないレベルでした。そんなBtoBの経験がほぼない私でしたが、当社ではこれまでやってきた、BtoBの手法にマンネリを感じている部分も多く、BtoCを含めさまざまなアイデアや企画を持っている人材を探しているようでした。確かに名刺管理サービスはBtoB向けのサービスではありますが、実際使用するのは個人です。型にはまったBtoBのマーケティングだけでは、うまくいかないのは当然です。私はこれまで、大手グローバル企業のメディアプランの企画立案や、業界初の取り組みや仕掛けをやってきたので、適任だったようですね。

当社は名刺管理サービス市場で8割のシェアを持っているものの、巷では「名刺管理サービス? いったい何ができるの?」というのが一般的な認識です。テレビCMなどで当社のことを認知している人はいますが、名刺管理サービスでどのようなことができるのか、まともに知っている人はあまりいないのが現状です。名刺管理は、いまだにファイリングなどアナログな手法で十分だと思われています。一部の大手企業では名刺管理サービスが使われていますが、地方や中小企業ではほとんど普及していません。要するに、名刺管理サービスのメリットがしっかりと伝わっていないし、理解されていないのです。名刺をデータベース化することで生まれるメリットはたくさんあるので、きめ細やかに伝えていきたいですね。

――「BtoC」の経験を活かしてどのようなマーケティングを行っていきたいですか?
坂本

まず第一に必要なことが「ファネルを広げる」ことですね。これまでの当社のマーケティング活動は、テレビCM、YouTube、ソーシャルメディア、Googleサーチ、Yahoo!サーチに終始していました。現在行っている、「ターゲットもメディアも絞ったやり方」が悪いわけではありませんが、これでは名刺管理サービスのことを理解した人は流入してこないでしょう。もちろん流入してくる人もいますが「あのユニークなCMが見たいな」といった動機であるケースが散見されます。要するに、流入する動機が“軽い”のです。

そこで、名刺管理サービスのことをしっかりと理解した人が流入してくるタイアップ広告を打つことで、リードの数も質も同時に増やしていくことを考えています。まだ入社して2か月ですが、さまざまなアイデアがありどういった展開を図るか絞っている時期です。「バズクリエイション」や「インフルエンサーマーケティング」なども取り入れていく必要があるでしょう。切り口をたくさん作って、間口を広げていくことが大切ではないかと考えています。今までは間口を絞りすぎていたことがマーケティングの課題でした。 その理由は「BtoBのマーケティングの手法はこうだ」という既成概念でしょう。
この認識を壊すのが私の役割のひとつだと思っています。

――なるほど。坂本さんの10年のマーケティングキャリアの中で、マーケターとして自信を持てた成功体験はありますか?

坂本
規格外な初挑戦を成功させてきたことですね。食べログのジャック広告やtwitter生配信などがそれです。どれも派手でインパクトのあるチャレンジでした。当時はこれが効く!と思ったことに対して、直感だけでなくロジカルに考えて提案し、クライアントに認められたら、何が何でも成功させる!といった強い意志をもって進めてきました。
何より、絶対成功する自信をもっていたので、プレッシャーを感じることなく推進させることができました。実はこれらのアイデアはパートナーとのディスカッションなどからインスピレーションを得ることが多いのですが、そのアイデアを集約し、強い意志のもと実行し実現させカタチにする、この実行力こそ、私の強みのひとつだと思っています。

マーケターに求められる人材要件、これからのマーケターになる方へ一言

――坂本さんが考える「マーケターに必要なスキル」をお伺いさせてください。

坂本
マーケターになってまだ2か月なので、よいアドバイスができそうもないですが(笑)。繰り返しになりますが、既成概念にとらわれずにプランニングをやっていくことでしょうね。私はこれまで「インパクト」を大切にして、サプライズを仕掛けていきました。これから当社のマーケティングは生まれ変わり本格始動しますので、ぜひ注目してほしいですね。

――最後に、マーケターを志す方へ、メッセージをお願いします。

坂本
やっぱり、既成概念にとらわれないことですね(笑)。「BtoBだからこうすべきだ」という考えは払拭したほうがいいですね。というのも、そうしないと仕事は面白くないでしょうし、既成概念にとらわれているとアイデアの数そのものが少なくなってしまうからです。仕事をしていて思うのは、この世界には正攻法がないことです。デジタルマーケティングが進展している現在、もはやマーケティングには型にはまった正解はないでしょう。「BtoBだから」という風にとらえず、壁をつくらずにトライすることが重要ではないでしょうか。

――知識ばかり身に着けると、どうしても「BtoBだからこうすべき」という考えに囚われがちになりますよね。BtoC、BtoBどちらも経験された坂本さんのお話で、もっと柔軟にマーケティングと向き合おうと思いました。本日はありがとうございました!

この記事を書いた人

マーキャリ編集部

Marketing Career 編集部

会社プロフィール
Sansan株式会社

ビジネスの出会いを資産に変え、働き方を革新する。

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クラウド名刺管理『Sansan』

Sansanは社内の名刺を一括管理し、名刺を企業の資産に変える法人向けクラウド名刺管理サービスです。

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