• 2019/10/01
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マーケター冨沢 13話目 【冨沢と車と営業】

  • 冨沢  
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■マーケター冨沢
2019年1月に中途入社、当メディア・マーキャリチームに配属され、新人マーケターとして日々奮闘する25歳の冨沢を追った連載記事。
6大卒という学歴や元カーディーラーという肩書がありながら自己ブランディングを全くしていない為、キャリアを活かしきれていない彼が、<マーキャリチームメンバーと関わる中で自身の希少価値の見出し方を日々学び、成長していくドキュメンタリー>です。本人許可の元、プライベートも完全にさらけ出したリアルな内容はメディア記事としては大変珍しいのではないでしょうか。創業30年以上のBtoBマーケティング専門会社の一員として働きマーケティングノウハウを吸収する中で自己ブランディング能力を身につけていくことができるかが見どころです。

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第13回「冨沢と車と営業」

皆さんこんにちは。冨沢です。

自己紹介でも触れておりますが、僕の前職は中古車カーディーラーの営業マンでした。

長い人生のうち大きな買い物の一つである車の選定から購入後の手続き、保険加入への手引き、車検や点検など整備、お客様の車に対しての疑問や困りごとをすべて解決するのがカーディーラーの営業マンの仕事です。

「今後、車のことはこの人に任せることができる」と思ってもらえるような情報を自分が持てるすべてを使って発信する必要があります。

今回はそんな営業マン時代の僕の経験談についてお話ししたいと思います。

入社してからは茨城県のとある店舗に配属されました。
僕は慣れない土地という事もあり、その会社に勤めている上司や同僚をよく観察していました。

仕事でお客さんと接している時や休憩時間、仕事終わりなど、この店舗にはどんな人間性の人がいるのだろう、売り上げをあげている人は誰だろう、と店舗内の人間模様がわかればと思ってよく人を見てました。

そんな中で、店舗で目立つ人間が何人かいるのがわかりました。

一人は売り上げも上げるがお客さんとのクレームを度々起こす、間部(マナベ)先輩【パワータイプ】と呼ばれる人物です。
彼はパワータイプと題される通り商談も力業で押し切るスタイルでした。タイピングも力強く押す為、壊したキーボードの数は片手じゃ足りません。

彼のクロージング力は定評がありましたがタイミングを間違えてクレームにつながった案件も少なくなく、
彼の説明書には取扱注意の一文が必ず入ります。

あるとき一緒にご飯に行った時の事

僕「ナベさん、何食べますか?」
間部さん「やべっ!ちょっと隠れるわ」
突然彼は身を隠しました。僕は不審に思って訳を聞きました。

間部さん「この前、クレームがあったお客さんと一緒にいた娘さんが多分働いてるわ(笑)」
僕「マジですか!?お店変えます?」
間部さん「いや、めんどくさいしここでいいよ。」

大丈夫かなとひやひやしながらご飯を食べていた僕を余所目に、お会計時に彼はさっきの話など嘘のように平然と例の娘さんをナンパしはじめました。
彼の胆力は僕の想像をはるかに超えています。
力があれば何でもできるといわんばかりの彼のその行動。世が世なら一子相伝の暗殺拳を伝授された兄弟の長兄として活躍してたことでしょう。

結局、間部さんは娘さん経由で再来店されたお客さんから見事成約をとりつけました。

そして二人目大塩(オオシオ)さん。
彼はなんといっても車に対しての知識がすごく同店舗の従業員はみんなして査定や整備の事で困ったことがあれば彼に聞いていました。
その知識に裏付けされた彼の説得力は計り知れず、何件も受注を取ってきていました。

ある日、僕は彼の商談から何か学べるものはないかと掃除するふりをして近くに寄り、盗み聞きしていました。

大塩さん「なるほど、○○さんはお孫さんが遊びに来た時の為に、今乗っているコンパクトカーから車内が広い1BOXに乗り換えたいわけですね」
お客さん「はい…長年乗っていたので名残惜しいですが、二人乗りだとどうしようもないですし。」
大塩さん「わかりました。それなら1BOXもいいですが少し遊び心を加えてSUVは如何でしょう?
例えばこの車種なら装備も充実しているのでお孫さんも喜ばれるのではないでしょうか?」
お客さん「なるほど、良いかもしれませんね!」
大塩さん「コンパクトと比べると広さ的にも段違いです!コイキングとギャラドス並みに違いますよ!」
お客さん「何ですか、ギャラドスって?」
大塩さん「…」

その知識いらなくない?お客さん年配だからわからないでしょうよ。
僕は何も聞こえなかったふりをして自分のデスクに戻りました。

そんな間部さん、大塩さんから僕は雰囲気がえなりかずきに似ているとのことでよく可愛がられていました。

僕「今月全然成約数足りなくて、何かいい方法ないですか?」
間部さん「お前はせっかく話しかけやすい雰囲気しているんだからもっとそれを活かせよ」
僕「例えばどんな感じでしょか?」
間部さん「そのえなり感、もっとお客さんの前で出せば?」
僕「いや、でもディーラーなのでピシって決まってる人じゃないとお客さんも頼りにしてくれないんじゃないですか?」
大塩さん「信頼関係構築に必要なものはそこだけじゃないと思うぞ」

次の日、しぶしぶ僕は二人に言われるがままにえなり君のような物腰柔らかな雰囲気でお客さんとの商談場所へ向かいました。


僕「初めまして、本日担当させて頂く冨沢です。よろしくお願い致します。」
お客さん「うん、よろしく」
僕「本日はお乗り換えですね。今の車、車検もあるし走行距離もまだ若いという事はもしかしてご家族が増えました?」
お客さん「いや~それだとよかったんだけど、これ事故車だったのよ。だから変えようってわけ。」
僕「なるほど、でも骨格部分に修復歴がなければぶつかってドアやバンパーがへこんだり、交換歴があったとしても事故車としてみなされませんからね」
お客さん「そうなの!?」
僕「ええ、でもそれにしてはお客さんが申告された購入額は高いですね。うちは価格帯も車種もバリエーション豊富なのでいっぱい見ていってください。」
お客さん「そうさせてもらうよ~。あと実はね........」

その後もお客さんは家庭内の事情や自営業を営んでいること、その他いろいろなことを話してくれました。
僕もお客さんが話しかけてくれた分、それにこたえるように車選びに関してのアドバイスをしました。

お客さん「お兄さん今日はありがとう。ちょっと家内に相談するからまた明日必ず連絡入れるよ!」
僕「こちらこそ、本日はご来店くださりありがとうございました!ご連絡お待ちしております。」

商談席から休憩室に戻ると大塩さんと間部さんがしたり顔で待ち構えていました。

大塩さん「なっ!いった通りだろ。若い人間はびしっと決めるよりも多少緩くして可愛がられるほうがいいんだよ」
間部さん「とはいえ、俺だったら今日中に契約してもらえてたね。まだまだ精進が足りんな」
僕「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか!」


人にもよりますが、車は7年~10年程乗ってから買い替える方が多いでしょう。
維持費も車検、点検、重量税、駐車場代、ガソリン代と年で換算しても何十万とコストがかかります。
それほどの額を費やす魅力がこの会社、この車、この営業マンにあるかとお客さんは選別します。

その為、営業マンは自動車を購入するまでの短い期間ではありますが、お客さんとの信頼関係を築く必要があります。

信頼関係の構築する手段には自身のキャラクター性、専門的な知識、積み上げてきた実績等人によって打ち出すものは様々です。

できるビジネスマンは自分なりの信頼関係構築方法を確立しているので、
皆さん自身が信頼している人に対してその方法を聞いてみるのも一つの手かもしれません。


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