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『カスタマーファースト』を実現する組織の作り方

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株式会社ビズリーチ キャリアカンパニービジネスマーケティング本部 インサイドセールス部 部長 茂野 明彦氏
2018/09/03

今回は、「ビズリーチ!」のCMでおなじみ、株式会社ビズリーチの茂野さんにお話を伺いました。茂野さんに会ったことのある同僚から「インサイドセールスのプロだよ」と聞いていたため緊張しながらの訪問でしたが、お会いしてみると、気さくでどこか飄々としていて、ユーモア溢れる素敵な人!インサイドセールスの面白さ、顧客との向き合い方についてお話頂きました。

現状のマーケティング活動概要と課題




■現在のマーケティング課題
――マーケティング施策の増加に伴うKPI設計とトラッキングの複雑化
――事業部により異なるエスカレーション基準、方法への対応

HR領域だけじゃない!世の中の選択肢と可能性を広げるビズリーチ

――「ビズリーチ=ハイクラス人材のための転職サイト」というイメージは皆さんお持ちだと思いますが、御社の事業について改めて教えて頂けますか。

茂野さん(以下、敬称略)
転職サイト「ビズリーチ」のイメージが強いと思いますが、弊社は他にも最近CMを始めた若手向けの転職サイト「キャリトレ」、求人検索エンジン「スタンバイ」などの雇用流動化を支援する事業や、戦略人事を実現するクラウド「HRMOS」といった企業の生産性向上を目的とした事業など、HRテック領域をメインに様々なサービス展開をしています。

と言っても、HR領域だけに特化した企業ではありません。弊社は「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」というミッションを掲げており、人材領域にとらわれず、大きな社会的意義のあるビジネスをやっていく、というのがバリューの一つです。最近では、後継者不在などを理由に事業承継を考える経営者と、事業を譲り受けたい企業をつなぐプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」もリリースしています。

――なるほど。サービスとして見えているのはHR領域ですが、根本はTech企業なんですね。茂野さんは、その中でどのような領域を担当されているんでしょうか。

茂野
BtoBのマーケティングを担当する『ビジネスマーケティング本部』のなかの「インサイドセールス部」を統括しています。ビジネスマーケティン部にはリードジェネレーションを行うマーケティンググループと、パイプジェネレーションを行うインサイドセールスグループがあり、その中でもインサイドセールスの管轄がメインです。

インサイドセールスを、自分のスペシャリティにする

――今までずっとインサイドセールスをしてきたのでしょうか?

茂野
前職が株式会社セールスフォース・ドットコムなのですが、そこで初めてインサイドセールスを経験しました。元々フィールドセールスの希望でしたが、IT経験がないことからまずはインサイドセールスから始めることに。インサイドセールスというもの自体を知るのがその時初めてで、「これはすごい。この仕組みをみんな使えばいいのに」と感じました。それまで様々な商材で営業経験がありましたが、フィールドセールスの目線で見ると、黙っていたら勝手にカレンダーが埋まっていく。しかもお客様への詳細なヒアリング付き。なんて素晴らしいんだろう、と感じました。インサイドセールスによってフィールドセールスがお客様に向き合う時間が増え、商談に集中できるので、営業組織全体にとっても良いことだと感じたことを覚えています。

その後、もともと『成果を出せるセールスのセンスの可視化』など、あいまいなものを具体化していく、というフローが好きだったこともあり、「仕組みを設計する側に回りたい」という想いからインサイドセールスの設計を担当することになりました。

――セールスフォース社は最先端のマーケティングをしているイメージがありますが、どうしてそこからビズリーチに転職したんですか?

茂野
インサイドセールスが自分の「Speciality」になると感じたからです。

キャリアにおける『VSOP』という言葉をご存知でしょうか。20代は「Vitality」でがむしゃらに働き多様な世界や人を知って経験を広げる、30代は「Speciality」20代で触れた様々な経験の中から、自分を最も活かせる分野を絞り、その分野で専門性を高める、40代は「Originality」専門性だけじゃなく自分らしさを追求し、50代で「Personality」あの人と働きたいと思ってもらえるような人間力で勝負する。それがキャリアにおける『VSOP』です。

インサイドセールスを知り、面白いと感じる中で、自分の「Speciality」をインサイドセールスにしたい、と感じるようになりました。営業組織にとって、会社にとって、お客様にとって良い環境を作れると同時に、インサイドセールス自体がとても面白いんです。これから新しく作っていくフェーズで成長性もあるし、テクノロジーの進化もあり、やれることがどんどん増えていく、想像もつかない何かが出来るようになっていく。インサイドセールスは、これからとても楽しい5年10年になってくると考えています。



一方で、インサイドセールスを立ち上げた自負があるものの、それはセールスフォースという看板があり、グローバルのマーケティングも確立されている中だからできたことでは、と考えたんです。他の環境でも再現性のあるスキルを身に着けているとは言えないんじゃないか、と。だからもう一度自分でインサイドセールスを立ち上げたくて転職を決めました。

――それではビズリーチに転職された当時は、インサイドセールスやマーケティング活動は今ほど活発ではなかったのでしょうか?

茂野
入社した2016年12月はビジネスマーケティング、インサイドセールス全部で10人くらいの人数でした。MAツールは当時から入っていましたが、実態としてはほぼ運用されておらず、ホワイトペーパーも作ってはいましたが、数が少なくスポットでたまに作成する、という状況でした。そのような状況なので、新規契約におけるビジネスマーケティング起因のリードは全体の10%ほど。

私が入社して以降は人材拡充と広範囲な施策展開を行い、今ではメンバーが約60人になりました。さらに新規契約のうち、およそ半分はビジネスマーケティング起因、という状態です。フィールドセールスとのリレーションもどんどん深めていっています。

インサイドセールスという仕事はメンバーの成長速度を高める非常に有用な施策であると考えています。短い期間で多くのお客様と対話し、幅広い顧客ニーズを知ることが出来るからです。インサイドセールスを経てフィールドセールスになった者と、直接フィールドセールスに配属された者では、初年度の売上達成率に顕著な差が表れ、インサイドセールス出身者の営業成績が高いというデータもあります。そのため弊社のインサイドセールス部は人材育成の役割も担っており、インサイドセールス部で様々な業界の顧客に関する知識を身に着けた人材が、他部署に異動し、活躍しています。

――インサイドセールスというグループを統括するうえで大切にしていることは何ですか?

茂野
『事業部が達成するかしないかは、すべて僕たちの責任』という意識をみんなが持つことですね。また、「主語はお客様なのか?」を繰り返しメンバーには問うようにしています。我々のビジネスはプロダクトマーケティングだからこそ、圧倒的に顧客志向であることが求められます。人材業界内で「釣り堀(転職市場)のなかに魚(求職者)がいて、それを釣る」という表現を聞くことがあるのですが、先日社内SNSでうちのメンバーが「お客様を釣り堀や魚に例えるのは違和感がある」と書き込んでいました。カスタマーファーストという文化が根付いていると実感しています。

これは姿勢だけじゃなく、マーケティング設計や施策にも表れています。顧客に最適なタイミングで最適なものを届ける。例えばお客様からの問い合わせがビズリーチについてであっても、インサイドセールスが対話した結果、お客様のご要望が新卒採用であれば新卒事業の担当者に繋ぐ。マーケティンググループの活動も同様で、例えばセミナーならセミナーの企画と集客、当日運用だけでなく、「実施後にインサイドセールスがどんなフォローをするか?どうしたらフォローをしやすいか?」まで考えて設計していますし、Web広告も、その後のフォローを想定し、出稿のタイミングと量、質を考えて作っています。

社内に対しても同じことが言えます。ビジネスマーケティング部にとって、事業部はカスタマーです。彼らに対してもカスタマーファーストでなければならないので、ビジネスマーケティング部は事業部への供給リード数を見るのではなく、「実際にどれくらい成約に繋がったのか」という視点で目標を立て、成果を見ています。

マーケターに求められる人材要件、これからのマーケターになる方へ一言

――茂野さんご自身がマーケティングを統括する立場として大切にしていることを教えてもらえますか?

茂野
繰り返しになりますが、『カスタマーファースト』が重要です。ここ数年でマーケティングに取り組む企業は非常に増え、いわば顧客は「マーケティング慣れ」している状態。だから薄っぺらいマーケティングをしていたらすぐに気づかれてしまい、信頼関係を構築することが出来なくなってしまいます。お客様からご指摘を受けるということは、信頼を欠いている、義を欠いている、という状態です。だからこそ、顧客第一で考えていくことが重要です。

自分の成果や会社の利益よりもまず、お客様との対話を通して、お客様にとって最適なご提案を行うことが大切ではないでしょうか。

また、スキルでいうとテクノロジーへの柔軟な対応ですね。日々テクノロジーが進化している中で、過去の成功体験を引きずって同じ施策やオペレーションをしているままでは自分も会社も成長していきません。 なので常に新しいテクノロジーにアンテナを張り、使っていくことが大切だと思います。

――最後に、マーケターを目指す人に対して一言アドバイスを下さい!

茂野
「マーケターになりたい」で思考停止しないことです。一言にマーケターと言っても非常に幅が広く、PMのような職能もあればツール実行、リサーチ、デジタル担当、オフライン担当、リードを獲得するミッション、全体設計をするミッション…など、様々な仕事があります。



ぼんやり「マーケターになりたい」と思っている状態では、どんなスキルが必要なのか、どのようなキャリアに進んでいくべきなのか、今自分がやっている業務は自分の今後のキャリアにどう役立っていくのかが分からない。だから、つかめるチャンスもつかめなくなってしまいます。

だから、マーケターになりたい、で思考を止めない。マーケティングとは何か? 自分はそのなかで何をしたいのか?を考えることが大切です。

――茂野さんは基本真面目ベースでたまにボケを放り込む、という取材スタイルで、とても楽しい取材でした。マーケターにとってはお客様も事業部もカスタマー、という言葉が印象深かったです。茂野さん、ありがとうございました!

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Writer記事を書いた人

マーキャリ編集部 

Companyこの会社について

株式会社ビズリーチ
「インターネットの力で、世の中の選択肢と可能性を広げていく」をミッションとし、2009年4月より、人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するHRテック・ベンチャー。東京本社のほか、大阪、名古屋、福岡、シンガポールに拠点を持ち、従業員数は1,202名(2018年5月現在)。即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、挑戦する20代の転職サイト「キャリトレ」、AI技術を活用した戦略人事クラウド「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジン「スタンバイ」、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」などを展開。

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