• 2019/11/20
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マーケター冨沢のなんでもレビュー 第1回 【マンチェスターシティVSリヴァプール②】【後編】

  • 冨沢  
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画像出典:https://medium.com/football-first/will-the-premier-league-title-race-go-to-the-wire-b73b2a3cc3d

マーケター冨沢が商品・サービス、最新トレンドから歴史的事件までありとあらゆるものを独自の視点で切り込んでレビューする「なんでもレビュー」のコーナー。
本記事はある物事に対するレビューを発信して、少しでも参考にしてもらえたらという思いから始まった企画ではありますが、同時にレビューや口コミといった情報がどれほど人々に関心が持たれているかという事を調査するための実験的な企画でもあります。
マーケティングに関することだけでなく様々な事柄をピックアップしてレビューしていきますので、是非最後までお付き合いください!

この記事は「マーケター冨沢のなんでもレビュー 第1回 【マンチェスターシティVSリヴァプール②】」の後編になります。前編をご覧になりたい方はこちらをクリックしてください。

そして11月10日の頂上決戦へ

両監督が有している卓越したマネジメント能力を発揮したチーム作りで世界最高水準まで上り詰めた両チームの注目の一戦。世界中のサッカーファンが息をのむ中、開幕のホイッスルが鳴りました。

序盤はマンチェスターシティのハイプレスに苦しんでいたリヴァプールでしたが、持ち前のカウンターでゴールに迫ると、相手のクリアミスをMFのファビーニョがミドルシュートで一閃。開始6分で1-0とリードします。失点直後マンチェスターシティも何とか追いつこうと猛攻を仕掛けますが、直後13分に今度は華麗なパス回しでハイプレスを見事かいくぐったリヴァプールがサイドバックからサイドバックへのボールを受け渡します。ダイナミックな展開から、SB(サイドバック)のロバートソンの質の高いアーリークロスをWGのサラーが頭で合わせて2点にリードを広げます。

こうなってしまうとマンチェスターシティとしては堅固な守備陣を要するリヴァプールを中々崩せません。前半はそのまま終わります。2点をリードしたリヴァプールはフォーメーションを少し変更し、より中盤に厚みを持たせました。一進一退の攻防が続く中またしてもゴールネットを揺らしたのはリヴァプール。サイドから仕掛け、相手陣地深いところから上げたクロスに今度はマネが頭で合わせます。

3-0になった時点で守りに入ったリヴァプールでしたが、マンチェスターシティは最後まで攻撃の手を緩めずボールを支配する時間が続きます。そして78分にお約束ともいえるサイドバックの高い上がりから蹴りこまれたクロスにMFベルナルドシウバが合わせて一点を返します。しかしそのまま試合は終了。UCL王者リヴァプールがこの世界最高の一戦を制しました。

個人的見解による勝敗の要因



画像出典:https://www.indiatoday.in/sports/football/story/liverpool-champions-league-final-2018-19-winners-6th-title-tottenham-hotspur-jurgen-klopp-1540528-2019-06-02

リヴァプールの勝利にはホームであることやマンチェスターシティにはけが人が多かった事、また、疑惑の判定があったことなど様々な要因が考えられますが、それでもここまでレベルの高い試合を勝ち越すことができたのはクロップが就任してから4年の歳月を得て完成した、彼のサッカーを完璧に体現させることができるチーム作りにあると思っています。

彼がリヴァプールの監督として就任するときの条件に「補強の最終決定権を握る事」という約束がありました。当時のリヴァプールは選手を獲得するには移籍委員会の承認がないと監督が望んだ選手でも獲得できないという状況にありました。彼はこのルールを嫌い自分のサッカーに適応できる選手の獲得権限、すなわちリソースマネジメントの最終決定権は自分が持つという事を断固として譲りませんでした。

2~3年前のプレミアリーグではマネやフィルミーノといった技術力の高い強烈なアタッカー陣を擁していて、ビッグマッチでは強い印象があったのですが、自分たちより順位が下位のチームからの取りこぼしは多く、リーグでも好成績を残せていませんでした。サイドからのクロスからの失点が多かったのが原因の一つといえるでしょう。また、クロップのサッカーの一番の特徴は切り替えの早い前線からの守備です。それを実現するにはディフェンスの網に引っ掛かりそうになった相手が危機回避の為に前にボールを蹴りだした際にそれを全部跳ね返すことができるDFが必要でした。

そこでクロップは当時サウサンプトンに所属していたファンダイクというセンターバックを当時DFの移籍金最高額で獲得しました。多くのクラブから目をつけられており市場価値の高い選手ではありましたが、ビッグクラブでのプレー経験がない選手を高額で買い取るという事は経営フロント側としてはかなりリスキーな選択です。それでも獲得に動いたのはファンダイクの能力を信頼したクロップの周りへの説得と移籍の最終決定権を持っていたことが要因でしょう。

その結果リバプールは昨シーズンリーグ最少失点を記録し、ファンダイクはメッシを抑えて昨シーズンのヨーロッパ最優秀選手に輝きました。その他にも左サイドバックに当時無名にも等しかったアンドリューロバートソンを起用し、自身のサッカー哲学を教え込み、世界最高水準のSBにまで成長させたり、下部組織のアレクサンダー・アーノルドを彼が18歳のころから起用し、UCL優勝の立役者にしたりと長い年月をかけて、クロップが行ったチームマネジメントこそが今や世界一のサッカーチームと呼ばれるようになった最大の要因であるといえるでしょう。




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