• 2019/09/05
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エディトリアルデザイナーの仕事内容は? 転職や将来性に関しても解説!

  • マーキャリ 編集部
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書籍や雑誌などの編集に関わる「エディトリアルデザイナー」という職業をご存じでしょうか。「エディトリアル」とは編集を意味する言葉で、雑誌、本、カタログ、マニュアル本等、文章が多めの編集記事のデザインを担当します。誌面の美しさと読みやすさの両方が要求される仕事となります。
この記事では、エディトリアルデザイナーの仕事内容を、グラフィックデザイナーや編集者との違いを確認しながらご紹介します。エディトリアルデザイナーへ転職に関することや将来性についても述べていますので、本や雑誌に携わる仕事がしたいと考えている方には参考になるはずです。

エディトリアルデザイナーの仕事内容



エディトリアルデザイナーは出版社の編集者やアートディレクターの指示を受けて、タイトルや見出し、本文、写真、イラストなど読者にとって必要な情報が明確かつ効率的に伝わるよう、バランスよく美しく読みやすい形にレイアウトしていくのが仕事です。つまりは「読者の目線や印象からより効果的にデザインすること」が最重要となります。たとえば強調したい部分の文字を大きくしたり目立たせたりすることもエディトリアルデザイナーの仕事です。

新聞をイメージすれば分かりやすいかもしれません。新聞はかなり文字量の多いメディアです。ジャンルごとに分かれている雑誌とも異なり、政治・経済・スポーツなど、さまざまな情報を扱っています。多岐にわたる情報を読む人に分かりやすく伝わるように文字を校正し、デザインするのがエディトリアルデザイナーです。

エディトリアルデザイナーの仕事のすすめかた



・方向性を決める打ち合わせ

エディトリアルデザイナーは、あくまで依頼を受けて行う仕事です。そのため「自分が作りたい本や雑誌を作る」のではなく、著者や出版社からの依頼内容をかたちにしていくものになります。

出版社や編集プロダクションの編集担当者と打ち合わせをし、著者や出版社の意向を汲み取りながらデザインの方向性をすり合わせます。このときに必要であれば、カメラマンやイラストレーターの選定・提案を行うこともあります。

・大まかなデザインを決める

基となるデザインをレイアウトします。読者層により配色や扱うフォントも大きく変わるため、自分のセンスをアウトプットしつつ、内容のバランスを考えながらデザインします。数ページにわたる特集記事ではあまり単調にならないように各ページの文字量を調整したり、ホワイトスペースの配分を決めたりします。
ときには数百ページにもわたるレイアウトのもとになるので、ここで作るデザインはとても重要です。

・他クリエイターへ依頼

本に文字だけでなく写真やイラストを載せるなら、カメラマンやイラストレーターに依頼が必要です。カメラマンへは写真のディレクションを行い、撮影に立ち会うこともあります。イラストを使う場合は、イラストレーターにイメージや、作成するイラストの大きさを伝えます。

・レイアウト作成

原稿、写真、イラスト・グラフなどの素材が揃ったら、レイアウト作業に入ります。レイアウト作業とは、集まった素材をどのように誌面に割り当てていくかを決める作業です。原稿は、レイアウトの文字数を見てから、ライターが書くことも多くなっています。
ここでフォーマットデザインをDTPオペレーターといってPC上で編集を行う方にお願いすることもあります。文字組みのルールを記した指示書を作成し、データとともにわたします。

・校正・校閲チェック

デザインを仕上げ、依頼元の編集者に送ります。そこから版元や著者、校閲のチェックが入り、そのやり取りは数回に渡ります。この段階で文字校正を入念に行い、ミスや漏れがないようにします。

・入稿データ完成

誌面ができあがったら、印刷所に入稿するための準備をして、入稿データを納めます。
その後、色校正という印刷の仕上がりをチェックするためのテスト印刷を行います。ここで写真の色味を整えてもらう指示をしたり、文字の修正をしたりすることもあります。
Webはミスがあってもすぐに修正することができますが、印刷にまわってしまうと後戻りができないので、責任の重い仕事と言えます。

グラフィックデザイナー・編集者との違い



編集者は、本や雑誌の企画を立ち上げる立場なので、エディトリアルデザイナーからすれば依頼者となります。本の全体統括が編集者で、構成や見た目を考えてデザインを行うのがエディトリアルデザイナーと考えればよいでしょう。
また、誌面のデザインと言えばグラフィックデザイナーが思い浮かぶかもしれません。

視覚表現全般のデザインを専門に行うグラフィックデザイナーは、編集者やエディトリアルデザイナーが用意した素材をいかに効果的に配置し、デザイン要素を織り込んで見やすく、読みやすい誌面にするかを考えて形にしていきます。広告の紙面デザインや商品ロゴなどをメインに担当するのがグラフィックデザイナーであるといえばわかりやすいかもしれません。

編集者がエディトリアルデザイナーの役割を兼務することや、エディトリアルデザイナーがグラフィックデザイナーを兼務することも多いです。より編集者寄りの業務をこなすのがエディトリアルデザイナーで、デザインをメインにこなすのがグラフィックデザイナーとしている企業もあります。

エディトリアルデザイナーへの転職状況

会社に所属して働く場合は、出版社や編集プロダクション、デザイン事務所、一般企業の広報部、広告企画制作会社などが就職先としてあげられます。また、これらの会社から業務委託を受ける形で、フリーランスのエディトリアルデザイナーや外部スタッフとして活躍している人も多くいます。

企業へ勤めることを前提とするのならば、狭き門である出版社よりはデザイン事務所の求人・募集は活発に行われているため、チャンスはあると言えます。それでも基本的には経験者採用ですので、未経験の場合はまずは正社員ではなく、アシスタントやアルバイトから始める方法も考慮しておきましょう。

転職・就職するのに必要なスキル

必要な資格などはありませんが「未経験可」の求人でも以下のソフトが使えることは、必須となっていることが多いです。
AdobeのIllustrator(イラストレーター)、Photoshop(フォトショップ)、InDesign(インデザイン)を主に使用するので、それらを使いこなせることが前提となります。

関連する資格としては、アドビシステムズ社が公認する民間の国際認定資格「アドビ認定アソシエイト(ACA)」があります。試験科目はアドビ社のアプリケーションごとに独立しており、資格は科目ごとに認定されますので、苦手分野の克服や得意分野をさらに伸ばすために狙ってみるのも良いでしょう。

出版不況の時代のエディトリアルデザイナーの将来性

出版に関わる仕事なので、今後ますます収入を得られる人とそうでない人の二極化がすすむでしょう。かなりの実力を身につけないと難しいところがあります。

しかし、実際に出来上がった雑誌や書籍を手にしたときや、クレジットに自分の名前が載ったときは大きな達成感があるでしょう。責任が多い仕事ではありますが、その分大きなやりがいがある仕事です。

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