• 2018/10/16
  • インタビュー
  • 突撃!となりのマーケター

複数の新規事業に携わった経験から導かれたあるべきマーケターの姿とは?

  • マーキャリ 編集部
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今回は、ネットショップの開業・運営支援ツールを提供するGMOメイクショップ株式会社の岩月さんへインタビューを行いました。私の岩月さんへの第一印象は「ふわふわでかわいらしくて、とっても女性らしい人!」。でも取材を終えるころには「芯が強くて巻き込み力の高い、かっこいいビジネスウーマン!」という印象に変わっていました。「リピーター獲得がネットショップ運営のポイント」と語る岩月さん。リピーター獲得を自動化するマーケティングツール「MakeRepeater」の製品プランニングを担当している岩月さんに、同社のマーケティング活動の課題などを聞きしました。

*現状のマーケティング活動概要と課題



■現在のマーケティング課題

――より多くの新規顧客獲得
――コンテンツマーケティング
――MAの最大活用
*ネットショップの開業や運営を支援する2つのツールを提供

――御社の事業について教えてください。

岩月さん(以下、敬称略)
当社はネットショップの開設や運営を支援している会社です。ショッピングカート付きのシステム構築をいちから作るとかなり大変ですが、当社のECショップ開業・運営支援ツールである「MakeShop(メイクショップ)」を使えば、誰でも簡単に立ち上げることが可能となります。
リアル店舗のみの営業では売上の広がりに限界があるため、その解決策となるべく、数多くのネットショップの開設にご協力させていただいております。特に個人で運営されているショップ様は、運営リソースに限界を感じていらっしゃるケースも多く、業界として需要が増え続けており、5年連続で流通額1位を誇っております。

――そうなんですね!では、ご担当されている「MakeRepeater(メイクリピーター)」は「Make Shop」を利用される既存顧客様向けのサービスとなるのでしょうか?

岩月
サービス立ち上げのタイミングでは「MakeShop」をご利用いただいたお客様がほとんどでしたが、現在では新規のお客様にもご利用いただいております。主なターゲットとしては月商が100万円を超えたネットショップ様です。ネットショップの場合、 月商が100万円を超えてくると軌道に乗ることが多く、事業拡大へ向けた施策を展開する事が多く見受けられます。特に月商200~300万円程度に成長すると従業員を採用するゆとりができ、マーケティング活動を始めることがあります。
ただ、この場合の施策は集客する事に偏ってしまいやすく、初めは良いのですが続けるほどコストがかさみ、次なる課題に直面します。この課題を解決するべく、リピーター獲得を推進・支援しているのが「MakeRepeater」です。

――なぜ、リピーター獲得が重要なのでしょうか?


岩月
繰り返しになりますが、ネットショップの多くは集客に施策が偏りがちです。もちろん集客施策は重要となるのですが、広告業界も成長を続ける現在では新規獲得コストが高騰しているだけでなく、流入したお客様の多くは再来店に繋がりにくいのが事実です。その結果、次から次へと新規顧客を獲得し続ける状態を抜け出すことができず「穴の空いたバケツ」状態となってしまいます。そこで課題となるのがリピーターの獲得です。
「パレートの法則」という言葉をご存知でしょうか。これはいわゆる2:8の法則で、ネットショップの運営には「2割のリピーターが、8割の売上をもたらす」とあてはめることができます。このようにリピーター獲得に対する施策は投資対効果が高いため、リソースのないショップほどリピーター獲得に注力するべきでなんです。

――どのようなお客さまが「MakeRepeater」を活用していますか?



岩月
ビューティーやコスメなどの美容系のほか、フードやインテリア、雑貨、アパレルなど歴史や企画、商品への強い想い入れがある商材を扱うお客さまが中心です。商材への”こだわり”が多い方がコンテンツが作りやすく、メールでの訴求活動を行いやすくなります。そのため、地方都市のお菓子メーカーや酒造などのご利用も多いですね。また、CPM分析を軸としていることから、商品単価が3,000円程度で1~3か月で消費される商品を中心に扱っているネットショップにフィットしやすいツールであることも関係しているでしょう。

――ありがとうございます。では現在、この方々に向けどのようなマーケティング活動を行なっていらっしゃいますか?

岩月
弊社はEC事業に13年携わってきた実績があるので、新規顧客の獲得を目指しセミナーを開催したり、メールマーケティングでのサービス訴求を行なっておりますが、まだまだ「MakeShop」ユーザーの流入が多く、より多くの新規顧客の獲得が課題となっております。もちろん「MakeShop」ユーザーの流入はよいことなのですが、営業と密に連携するためのインサイドセールスなど、マーケティング施策を展開し精度を高め、新規獲得を増やしていきたいですね。しかしながら、マーケティング活動のリソースには限りがあり、SEO対策やMAの最大活用など、今後取り組むべき課題は多くあります。
*お客さまとともに「MakeRepeater」を成長させる

――では、マーケティング活動の課題を解決するために、今行っていることはありますか?

岩月
それはもう、より多くの関係者を巻き込んで、協力してもらうことですね!
私の業務の中にマーケティング領域のことがあるので、ご縁があってお話をさせていただくことになりましたが、私は本来、プロダクト側の人間です。とはいえ、マーケティング活動をしていかないと苦労してサービスを作ったとしても、売れにくいのは事実ですし、特に営業部門は、限られたリソースのなかで成果を上げるため、マーケティングによって業務を効率化していく必要があります。
ただ、自分ひとりではできることに限りがあるので、社内外のリソースをうまく活用しようとしているわけです。例えば、当社の「MakeShop」にはマーケターがいるので、協力を仰いでうまい訴求方法を考えてもらったり、提携先とセミナーを共催して「MakeRepeater」の魅力をお客さまに伝えるよう努力してもらったりと、都度業務連携しています。また、昨年からの試みですが、社内にリソースがないためインサイドセールスを外注し、獲得したリードを営業に渡すということも行っています。

――なるほど。では、岩月さんとしては「MakeRepeater」をお客様にとって、どんな存在にしていきたいとお考えでしょうか。

岩月
お客様のネットショップを共に成長させていくための「パートナー」という存在になっていきたいです。最初は私たちがネットショップの運営を先導することになりますが、遅かれ早かれそのフェーズは終わり、お客さまが自走するときがやってきます。ですので、お客さまには「MakeRepeater」を使用して気づいた点についてぜひ厳しい要求を出していただき、私たちがそれに応えることで「お客様と一緒に成長していきたい」と思っています。
「MakeRepeater」はまだまだ成長を続けることのできるツールです。お客さまの数多くの意見を取り入れて改修し、情報を適切に届けることで「MakeRepeater」を成長させていきたいですね。とはいえ、お客さまの意見ばかりに振り回されてしまうことは問題です。プロダクトマネジメントとして、「MakeRepeater」という製品のあり方を明確にすることで、常に優先順位を考え、都度製品にとってもお客様にとっても必要な改修から、スピーディに対応していきたいと考えています。
*マーケターに求められる人材要件、これからのマーケターになる方へ一言

――岩月さんが考える「マーケターに求められる人材要件」をお伺いさせてください。

岩月
マーケターはデータ収集の仕組みがなくても、データを自ら集めて試行錯誤しながら前進していくことが必要です。データ収集の仕組みがないのであれば、他のメンバーに働きかけて作ってもらうくらいの気概がないと厳しいかもしれません。私も「MakeRepeater」の新機能を企画するにあたり、荒削りですが「どのようなお客さまが求めているのか」「どのような状況で使われるのか」について、データを収集してきました。
「データがないからできません」などと言っていては、何らかの課題解決を担う職務に携わることは難しいのではないでしょうか。一方で、マーケターは今あるデータだけを処理する“データ収集作業者”であってはいけないと思っています。これはプロダクト側の人間である私も常に意識していることですが、自ら集めたデータを駆使して「こんな事業がよいのでは」「こんな新機能が受け入れられるのでは」と目星を立てられるレベルまでいく必要があると考えています。

――最後に、マーケターを志す方へ、メッセージをお願いします。

岩月
マーケターにかぎらず、何らかの課題解決を職務とする人は与えられるのではなく、自ら目的に向かって動ける人であるべきです。そのうえで試行錯誤を繰り返しながら成果を上げ、改善に向かって日々業務に取り組まなければいけません。言うなれば、自分自身でPDCAサイクルを回せる人である必要があります。そのような姿勢で、諦めずにとことん追求していけば、どのような職務であってもよい結果が得られるのではないでしょうか。

私自身、以前の会社では、運良く新しい広告ソリューションの日本でのサービスローンチに携わる、という貴重な経験ができました。そして当社では、社長直下の事業である「MakeRepeater」のリリースに携わることができ、自分自身が確実にステップアップしていると感じています。 もちろん苦労もありました。メンバーを巻き込んで進めることの難しさ、デザイン面をはじめとしたさまざまなトラブル…など。しかし、こうした苦労を乗り越え経験してきたことが、今後のキャリアにつながり自身の強みになっていくと思っています。

「マーケティング担当というわけではなく、プロダクト側の人間 」という言葉が信じられない程、岩月さんの「MakeRepeater」とお客様のネットショップを成長させていくことへの強い思いを感じました。取材も盛り上がりすぎて、もう女子会のように楽しい時間でした。本日はありがとうございました!


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